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韓国映画『高速道路家族』(2022)感想 

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U-NEXTにて視聴。

 

ネタバレが入りますので、未視聴の方はご注意ください。

 

『高速道路家族』

公開年:2022年

上映時間:約128分

ジャンル:スリラー

個人的満足度:★★★★☆4

 

キャスト

チョン・イルさん:ギウ

ラ・ミランさん:ヨンソク

キム・スルギさん:ジスク

ペク・ヒョンジンさん:ドファン

 

感想

韓国映画『パラサイト 半地下の家族』のような社会に訴えかけるストーリーかなと思い、観てみたのですが。

 

確かに社会的弱者を描いている点では、『パラサイト 半地下の家族』に似通っていましたが、主人公家族がいかにも特殊な家族であり、特に父親ギウがイカれてしまっているのでホラー的な作品でもありました。

 

怖すぎて何とも言えない後味の悪さが残りましたし、衝撃度の高さにしても『パラサイト 半地下の家族』の方が上でした。

 

ギウにも、母親ジスクにも共感できなく、ただただ子ども2人が不憫になります。

 

救いは家具店のヨンソクに出会えたこと。

 

出会えなかったらどうなっていたことか。

 

一家の主であるべきギウがこんなでは、守るべき家族も守れないでしょう。

 

独身ならギウ一人勝手にやってくれよという感じですが、子ども2人いる上にジスクは何と身重…。

 

保険の仕事時代に投資で騙されて一文無しになったのがいつの頃かわかりませんが、養う家族がいるのなら何としてでもそこから立ち直るべきではなかったでしょうか。

 

行政に頼るべきとか、一層のこと捕まった方が家族も保護されるのではと考えましたが、何とギウは横領、詐欺で指名手配されているという。

 

なるほど、それでこんな生活。

逃げるしかないわけですね。

 

いざギウが捕まって安堵したものの、行政は保護してくれないものなのですね。

 

行政ではなく保護してくれたのは民間人というのが、一度ここまで堕ちてしまったら立て直すのは難しいというのを物語っています。

 

ヨンソクは子どもを亡くしているから、失った傷を埋めるように手を差し延べたのだろうな。

 

なかなかできることではありません。

 

でもさすがにギウまではね。

ギウを助けたいって思う人いるのかな。

自業自得とさえ思ってしまう。

でもそんな父親でも子どもにとっては大切な父親で。

娘が父親にあてた言葉にはウルっときてしまった。

学校にも通えるようになったことだし、いつか社会に出たら自分たちの家族がどんなにか異常だったことに嫌でも気づくだろうね。

そのときも父親への思いは変わらないかといったら、そうは思えなくて。

やはり、子どもがいたらどんなにどん底に陥っても、歯を食いしばって衣食住や通学など最低限のことは立て直すべきだと思う。

酷かもしれないけど、歩道橋に座っていた人物がギウに見えたのは娘の錯覚で、実は他人だったことに酷く安堵してしまった。

どのようなつらい過去があったとしても、あのように他人を恨み、家族に危害を与える人物は、必死で立ち直ろうとしている家族たちにとって脅威の存在でしかないですから。

 

ジスクに焦点を当てれば、ギウが横領や詐欺で指名手配されたときにでも、ギウと縁を切っていればよかったと思いますね。

まあ、共依存的な関係だと見て取れましたので、やはりヨンソクと出会うまでは縁を切るのは難しかったのでしょう。

やはり家族の問題というのは難しく、こういった問題があるケースは第三者が介入しないといけないでしょうね。