
Netflixシリーズ。
この記事ではストーリーの結末を含むネタバレに触れています。気になる方は視聴後に読まれるのをおすすめします。
『悲しみよりもっと悲しい物語』
放送年:2021年
話数:10話(1話約45分)
ジャンル:恋愛、ヒューマン、音楽
個人的満足度:★★★★★5
一言あらすじ
白血病を患い余命わずかなKがとった行動は、愛するクリームのために彼女を幸せにしてくれる人を探すことだった。
キャスト
ワン・ジンさん:クリーム
フェンディ・ファンさん:K
シャオ・ユーウェイさん:アン・イーチー
ワン・ポーチエさん:ポーハン
イレブン・ヤオさん:シンディ
フィガロ・ツェンさん:歯科医
ネタバレあり感想
公開順としては、韓国映画版→台湾映画版→台湾ドラマ版となるようですが、全て観た感想としては台湾ドラマ版が一番よかったかも。
というのも韓国映画版、台湾映画版ともに2人に巻き込まれ別れざるを得なかった写真家、歯科医が不憫でならなかったからです。
今作は、歯科医がクリームの愛する人はKただ一人ということを理解した上でクリームの願いを聞き入れている。
この違いがあるだけでもずいぶん感じ方が変わってきますね。
そしてK亡き後、写真家と歯科医は再び一緒になれた。
これ、写真家も歯科医もすごくよくできた人なんですよね。
普通だったら、何で他人の人生のためにそこまで…って思ってもおかしくないと思います。
それとK亡き後、クリームがすぐ後追いしない世界線だったのもよかった。
ただ曲を世に送り出すという約束を果たしたあとに、再び消えているということで…
こちらの真相はわかりかねましたが…アイスクリームのブレスレットをつけた女性がお墓のシーンに立っていましたし。
クリームは生きているのでしょうか?
3年間、Kを感じながら生きていて、もう大丈夫と思えたのですが。
Kからしたら、やっぱり最期、クリームと一緒にいられたのはとても幸せなことだったと思う。
だから、最初からそばにいてって言ってもよかったような気もしますけどね。
「自分の幸せを犠牲にしてまで、なんて深い愛なんだろう」という台詞がありましたが、やはり女性側からすると真実をちゃんと伝えてほしいし、最期まで一緒にいたいって思うのが自然だと思います。
その方がKの分まで生きると力に変えられそうな気もするのですが。
失ったらそのまま相手が消えるわけではないので。
心の中にはちゃんと生きてますからね。
来世で会う約束をしたなら、そのときまで相手を想って生きていくのがやはり約束を守ることなのかなぁと思ったり。
台湾ドラマ版があることは以前から知っていましたが、台湾映画版とキャストが違うので観なくてもいいかなぁと思っていたんです。
でも先日、鯨が消えた入り江を観て一気に惹き込まれたフェンディ・ファンさんがKを演じているなら…と観てみたら、とてもよかった!
やっぱり儚い雰囲気あるんですよね、この俳優さん。
それがめっちゃ美しくて…
目力が強くて、病室に来てくれた母を見たときの眼差し、しびれました。
最初、敵意むき出しなのだけど、だんだんやわらいでいって…
というかお母さん来てくれたんですね😭
K本当に嬉しかっただろうなぁ。
映画版では会えてなかったから…
元気だったなら他のことはいいって言えるKの優しさ😭
こんないい子がなぜこんなに早くに亡くならなければならなかったの…🥺
映画版と違うところは他にもあって、クリームの家族の事故の原因がKの父親の運転によるものだったこと…
そりゃないよ〜!!と思いました…
どれだけKに試練味わわせるの?!って、神経疑っちゃいます…
ただでさえ過酷な境遇なのに…
そこまでしなくていいじゃない…って本気で思いました。
アン・イーチーとポーハンもドラマ版のみのオリジナルストーリーでしたが、アン・イーチーの息子コーローがとにかく可愛かったので、個人的にはこのストーリーも好きでした。
Kとクリームだけ観たい方には物足りなかったのでは?とも思いますが。
コーローの台詞も深いものが多くて…
特に「僕は一人でも孤独じゃないよ。心の中に大事な人がいるからね」という台詞が響きました。
だから先に逝った人が身近にいても、一人でさみしくないかな?とか早く自分もいかなきゃ…みたいに思わなくても、その人を大事に想って生きればいいってことなんじゃないかな?と思いました。
コーローもアン・イーチーがちゃんとご飯を食べているかを気にしていたし…
悲しまないで、いつかまた会えるよと言ってくれているような…
遺された側にとっては、そのいつかが果てしなく遠い道のりに思えるのが苦しませている原因だと思うけど…
悲しみを想いに変えたらいいのかなと思ったり。
心の中で一緒に生きている感覚になれたらいいのかな。
それと遺された側も永遠の命があるわけじゃないってこと。
今はどうしようもなく苦しくてもちょっとたどり着くのが遅いだけで、必ずまた会える…そこに意識を向ければ苦しみも減るのかな?とわたしは思いました。