この記事は中国・香港合作映画『少年の君』のネタバレ含む感想記事です。
最後の方でドキュメンタリーっぽくなったので、実話なのかな?と調べてみたら実話というわけではなさそうでした。
もし実話だったら実際の事件なんかを調べる沼にはまりそうだったので、よかったのかな。
とはいえ実話じゃないにしても、表に出てきている実際のいじめ問題も相当なものがありますので例え実話だとしても何らおかしくはありません。
日本も大概酷い内容ですが、中国もなかなか社会問題化しているようですね。
それでもこの映画でいうところのシャオベイ(イー・ヤンチェンシーさん)のような人物って日本はフィクション含め出てこないんですよね。
韓国なんかは恋愛ものでも出てくるのに。
私が観た中では少なくとも出てきてません。
なのでシャオベイにとにかく惹かれまくってしまいました。
まさに彼の行いこそが無償の愛ですよね。
これができる人はそういません。
私もシャオベイのようなボディガードに守ってもらいたかったなぁなんて思いましたが。
シャオベイだって誰でもかまわず守ったわけではなくて、チェン・ニェン(チョウ・ドンユイさん)だからこそ守ったにすぎないんです。
チェン・ニェンの非常に聡明な人柄やめげずに頑張る姿勢なんかを目の当たりにしたからこそですよね。
それとチェン・ニェンはシャオベイにはじめて
「痛い?」
と気にかけてくれた人だった。
はじめて人の優しさに触れたのではないでしょうか。
そんな彼女をほうっておけるはずがないですよね。
面会シーンでの涙の演技合戦が凄くて、この2人ただものではないと思いました。
何であんなリアルな涙を流せるんだろう。
台詞は一つもなくて、涙と表情の演技だけであんなに感情を表現できるなんて。
本当に凄すぎる…!
2人の愛が尊すぎて思わずこちらの涙がこぼれるシーンもたくさんありました。
タイトルの『少年の君』ってどういうことなんだろう。
終盤まではシャオベイのことって思っていたけど、実際は未成年じゃなかったんですよね。
そこではじめてチェン・ニェンもシャオベイの覚悟の大きさを知ったわけで。
男気ありすぎますよね。
そんなこんなでシャオベイにはかなり惚れこみました。
だって現実問題こんな人いるかなって思うと。
奇跡のような人ですよ。
刑事さんも最初、使えないと思ったけど2人が早く再会できるようにしてくれたのはよかったかな。
2人の未来を守ってくれたわけで。
確かに未成年だと信じてたからチェン・ニェンも身代わりになってもらったわけだしね。
ラストは救いがあったのでよかったと思います。
欲を言えば再会シーンとかその後の生活風景とかも観てみたかったなぁと。
2人が出会って心を通わせる過程にも、ほっこり暖かい気持ちになるものがあったので。
テーマは重いんですが、凄く心が洗われる綺麗なものを見させてもらった感覚になりました。
これ、日本でも学校とかで授業の一環として流した方がいいですよ。
勉強よりよっぽど大切なことだと思いますね。
内容は確かにえげつないんですけど、2人の…特にシャオベイの愛に胸を打たれましたし私はかなり好きな作品です。