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韓国映画『建築学概論』(2012)感想 初雪の日の切なさ

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感想を書く上でネタバレが入る事があります。

 

キャストの感想

 

観ようか迷ってた作品でしたが、『花、香る歌』のぺ・スジさんがとても良かったので視聴。

『花、香る歌』の3年前の作品ですね。

大学生時代のソヨンを演じてるぺ・スジさん。

化粧っ気もなく、初々しい感じがとても可愛らしかったです。

この作品で"国民の初恋"と呼ばれたぺ・スジさんなんですが、そう呼ばれるのも納得でした。

淡い初恋の思い出のイメージとしてぴったりで、終盤切なさも残る演技もとても良かったです。

ぺ・スジさんなくしてはこの作品は完成しませんね。


大学生時代のスンミン役を演じたイ・ジェフンさん。

役柄がこれでもかっていうほど優柔不断というか奥手で男気がないんですが、そこを上手く演じていました。

こんなような気弱な男っているよなって思わせるリアルさがありました。

おどおどっぷりが自然で凄いですね。


大人時代の役者さんは、スンミンをオム・テウンさん、スヨンをハン・ガインさんが演じてますがどちらも容姿が違いすぎて本当に?と思ってしまうほどリアルさがありませんでした。


スンミンの浪人生の友達ナプトゥクを演じたチョ・ジョンソクさんの演技が素晴らしかったですね。

演技含めてユーモアのあるこのキャラクターが大好きです。

 

ストーリーの感想

 

ビジュアル的にもそうなんですが、現在バージョンの2人は性格もかなり異なっていることもあって個人的には大学生時代のストーリーの方が好きです。


2人はいい感じだったと思うのですが。

若さゆえですかね。


スンミンはソヨンを信じられるほど大人ではなかったということでしょうね。


ソヨンへの愛情より裏切られたと感じたプライドが許せなかった。

傷ついて心が折れてしまったのでしょう。


それにしても「俺の前から消えてくれ」はないんじゃないの?と思いますが。


いくら自分が酷く傷ついたからって、そう言われて相手がどう思うか考えなかったのでしょうか。


きっと自分しか見えてなかった。


被害者意識も強くあったんだと思います。


スンミンにとっては長い間蓋をしてきた苦い思い出だったんじゃないですかね。


だから再会してもすぐに気づけなかったんじゃないですか。


再会しても結ばれないのは当然で、結ばれるとしたら過去でしかありえなかった。


スンミンにとっては婚約者もいるし、今更でしかない。


現在バージョンのスヨンがかなり気が強い感じになっていて、過去のスヨンと上手く繋がらなかったんですよね。


でも凄く親孝行なお嬢さんでそこはとても感心させられました。


スンミンに作ってもらった済州島の家が凄い!


あの海の見える窓があんな風に折り畳めるだなんてそんなことできるんですね。


いや、ちょっと素敵すぎて何日か住んでみたいと思ってしまいました。


屋上で寝そべることができるのが素晴らしい。


日向ぼっこしたいです。


魚を傍で見れるようにしたり、お父さんへの愛情が凄く感じられました。


「俺の前から消えてくれ」とスンミンに言われたときに「あんなやつこっちから願い下げ」くらいに思ってスンヨンとは決別してほしかったな。


お父さんへの愛情は本物なので、今後幸せになってほしいと思いました。


対してスンミンは酷くないですかね。

お母さんを置いてくなんて。


大学生時代からですが、時々スンミンがキレ散らかすのが気になります。


お母さんは大事にしてあげてよって思いましたね。


馬鹿にされたTシャツをまだ着れるって代わりにお母さんが着てあげてるのを見て胸が締め付けられました。


スンミンは時々帰るようにはとても思えない。


ソヨンだったらどうしたかなって。


きっと近くにいただろうなと思うと。

ちょっとやるせないです。


ナプトゥクが一生懸命に結構的はずれなアドバイスをしてるのも笑えました。


でも初雪の日のくだりは素敵だなと思いましたが。


切ないモチーフになってしまいましたね。


まさかスンミンもあのあと来ていただなんてね。


あんな風に言われてもスンミンのためにCDとウォークマンを置いていったソヨンの優しさ。


受け取ったのにソヨンの愛情を信じきれなかったスンミンの弱さ。


そしてまた送り返してしまうという。


ただただ報われなかったソヨンが幸せになってほしいと強く思います。