
フィクションのドラマや映画の感想を綴るのとは違って、実在の方について書くのは非常に繊細なことです。
誰も人の人生に偉そうに言える権利はないとわかっているからです。
なので一般的な感想というよりは、わたしは久保さんの名誉のためにこの記事を書くことにしました。
あくまで個人の解釈であることを前提に、お読みいただけたら幸いです。
『ザ・ノンフィクション』結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2026〜前編、後編』 感想
放送年:前編 2026年2月1日
後編 2026年2月8日
内容:婚活アドバイザー植草美幸さんのもと、婚活をされている方たちの日常やお見合いの場に同行する様子が映し出される。何人か出演されていたが、この記事では、久保さん(仮名)について取り上げます。
感想
この放送回は非常に反響があったようで、SNSでもインフルエンサーなどが取り上げるくらい注目された回だったようです。
気になったのは、ある一部分のシーンのみ切り抜かれたことで、久保さんに対してネガティブな意見が集まってしまっていること。
そのシーンとは、仮交際中だったお相手の紗栄子さん(仮名)から、交際終了したいと申し出があったことを植草さんから告げられるシーンです。
お相手が他の会員の方と一度会っただけで真剣交際に入ったことを聞かされたのです。
そのときの久保さんの反応が、
「じゃあ今までの自分の転職は何だったんですか」
「ふざけんなよ ふざけんなよ マジで」
というものでした。
これに対し、多くの方が“モラハラ予備軍”だの“ストーカー気質”だの指摘されています。
でも久保さんはそのあとに
「何で一回だけで…」
と言っています。
そう、久保さんは、転職までして頑張った自分が何で選ばれなくて、たった一度だけ会った他の人が真剣交際に入ったのだろうと、そこに憤りを感じているわけです。
ここが久保さんの婚活に対する誤算で。
彼は、婚活とは頑張れば頑張るほど、相手の要求を飲めば飲むほど成立できるものと多少なりとも思い込まれているのではないかなと。
無意識にでもです。
婚活は恋愛を求める場ではないとしても、やはりここは縁の世界です。
惹かれる相手なら条件が覆ったり、たった一度の出会いで成立することさえあります。
久保さんの頑張りがどうこう問題ではなく、縁がなかっただけのこと。
縁がないのに、無理矢理突破すると苦労することになります。
そして、多くの人が指摘している問題。
確かに醜い本音は出てしまったかもしれない。
このように誠実そうな彼ならばこのような言葉を吐かないだろうという先入観が、視聴者側にもあったのだろうと思われます。
本物のストーカー気質なら、ここでこのような醜態はさらしません。
他人の前でましてや、撮影されて公開されるのがわかっている中で、傷ついたり泣いたりする姿は決して見せません。
人にどう思われるかをとことん気にするから。
絶望、落胆している姿なんて絶対に見せられない。
むしろ心に湧き上がったどす黒いものとは裏腹に、笑みさえ浮かべて、
「そうですか、仕方ないっすね」
くらいに軽く流すフリをします。
そしてのちのストーカー化です。
久保さんのように例え醜いものが出てしまっても、あの場で本音を吐き出せたことはよかった。
彼は人にどう思われようと、自分の全てをさらけ出して変わろうとしている。
一ヶ月落ち込んで泣いたと言っていましたが、そのあと立ち直られて次の婚活に向けて明るく頑張られていましたから。
断りを入れた紗栄子さんに憤りを覚えたというより、そこ(転職)までしても駄目だったこの境遇に彼は憤りを覚えたのだと思います。
言わば努力が報われなかった現実に対する憤り、悔しさです。
恋愛感情よりも条件が重視される婚活の場においては、久保さんのように相手に傾倒しすぎるのはよくないのでしょうね。
彼がどうしてそこまで結婚したいのか
かつて病気をしたときにつらくて、人との接触も断って乗り越えた。
今は誰かにそばにいてほしい、自分の味方がいてほしいという思いからくるもの。
人との接触を断っていたということは、人生で一番つらいときに人とのふれあいやぬくもりを求めないタイプ。
本当にどん底のときは、人との接触自体がしんどくなるタイプです。
そんな彼が、自分を変えてまで死にものぐるいで結婚したいということは、それだけ彼の人生が前を向けたということなのでしょう。
でもわたしは、自分の一番の味方は自分自身なのだと思います。
自分の中に本当の味方がいると気づいたとき、もっと肩の力が抜けるのかなぁと思います。