Amazon prime videoにて視聴。
この記事ではストーリーの結末を含むネタバレに触れています。気になる方は視聴後に読まれるのをおすすめします。
『家なき子』
放送年:1994年
話数:12話(1話約46分)
ジャンル:ドラマ
個人的満足度:★★★★★5
あらすじ
義理の父に暴力をふるわれる日常から抜け出すために、自宅に放火するすず。伯父のいる園田家に居候することになったすずに待ち受けていたものとは…
キャスト
安達祐実さん:相沢すず
保阪尚希さん:片島智之
田中好子さん:相沢陽子
内藤剛志さん:相沢悟志
水野真紀さん:岡崎章子
京本政樹さん:黒崎和彦
ピュンピュンさん:リュウ
ネタバレあり感想
まさかこの時代にまた『家なき子』が観れるなんて!!
最近、1990年代の日本のドラマにはまっているので、アマプラに何かないかな?と探していたら、見つけました。
放送当時すごくはまって、録画したのを何周もしていたくらい大好きでした。
本当に飽きずによく観ていたなぁ。
また観たいなぁと思っても、DVD化もされていないし、録画したやつもVHS時代なので今は観れる機械もないし…
まさかアマプラにあったなんてね、しかも昨年からあったらしい…!
本当、アマプラ様様ですね。
正直、何周もしすぎて先の展開もなんなら台詞まで大まかに頭に入ってるくらい覚えてるんですが、数十年ぶりに観るとまた見え方が違っていて、面白い!
7話と10〜12話(最終話)は号泣しながらの視聴となりました。
1シーズンだけでこんなに内容がぎっしり詰まっていて、本当に熱く深いドラマですよね。
映画版とシーズン2もありますが、そちらは2周くらいはしたと思うけど、何周もしたのはシーズン1だけでした。それくらいシーズン1が好きすぎて。
映画版とシーズン2は配信されていないので、そちらのネタバレはなしで、シーズン1の感想のみ書いていきます。
今、改めて観ると当時観ていたときより感想がかなり変わるなと思ったのは、片島先生のこと、すずの母親のこと。
まず片島先生って、こんなにいい先生だったんですね。終盤の変貌ぶりが衝撃だったので、“すずを裏切った悪い先生”という印象しかなかったんですけど、そこにくるまではめっちゃいい先生じゃないですか。
教師の域を超えてるくらいに。
この人、すごい好きだなぁ…って今回観ていたので、今観るとあの変貌も仕方ないのかな…なんて思ってしまうほどで。
それくらい感情移入してしまったんですよ。
過去のこともそうだし、悟志にずーっと脅迫され続けて…この脅迫がひどいってレベルじゃないんですよ。
片島先生は何も悪くない、父親の心中に巻き込まれただけなのに、そんなに言われなきゃいけないことなの?って。
むしろ母親亡くして被害者でもあるのに、父親が加害者ってだけでこんなにひどい仕打ち。
他人と養子縁組したのに、過去は切っても切れないの?
それにあんなに変貌してしまったのは、悟志が先生を無限ATMにするために洗脳、誘導した結果だとも言える。
全部、悟志が導いているんですよ。
悟志いなかったらあんなになってないですよ。
これはあそこまでした悟志が悪かった。
今更、就職して真っ当に生きると言っても信じてもらえないです。
それまでしたことがひどすぎるので。
そしてすずの母親に関しては、放送当時に観たときより、抱いた印象は悪くなりました。
当時はとってもやさしい愛情にあふれたお母さんという感じ。
でも今、観るとなんてのんきなまあまあひどいお母さんにも見える。
その思いはババアや黒崎先生が指摘する度に強くなった。
感じたことは、ババアや黒崎先生が全部代弁してくれたので、触れられなかったことを1つ。
それは、悟志がすずの本当の父親だという事実を隠していたこと。
これ悟志にだけは言っていたら、違っていたのになぁって悔しい。
現実にそれを知ってから、悟志改心してるじゃないですか。
でも時すでに遅し…で。
どうしてもっと早くに言わなかったの?!ってめっちゃ思う。
そしたら片島先生にも脅迫してないだろうし、片島先生が苦しむことも殺されることもなかったんだよね。
悟志の生活が変わるのを待ったって言うけど、待つ前に言うべきだったよ。
そしたらお母さんだって昼も夜も働いて身体壊すことなかったかもしれない。
そして本当の諸悪の根源は、大坪じゃない?ってところにいきつくのだけど。
大坪に認められていたら、画家として大成していたかもしれないのに。
そしたら家族みんな幸せだったのにね。
本当にやるせない。
絵描きも貧乏人は認められないとか、本当に夢がない世の中だよね。
全体的に貧乏人は幸せになれない、だけども幸せになって見せる!でもやっぱり幸せになれなかった…みたいな話なんだけど…
ババアの言葉や黒崎先生の言葉がめっちゃささりまくりだったわ。
この世の真理みたいな。
放送当時からババアと黒崎先生は大好きで。
ババアが言ってることは全部正しかった。
ババアとの別れのシーンは号泣です。
黒崎先生はかっこよすぎてね。
放送当時から惚れ惚れしてました。
指もすごくキレイ!ってことに今回気づいた笑
個人的に黒崎先生登場回(7話〜)が特に好きです。
黒崎先生出てくると、個人的にかなり盛り上がる!笑
あんな先生いたら、すごい!
またボンベイプラスって特殊な血液ってのも厄介だったなぁ。
生涯、病気怪我できないじゃないの。
黒崎先生の「簡単に人を信用するな」のくだりも、あれが片島先生に繋がるんだもんなぁ。
でもすずからしたら、あんなやさしい片島先生が変わるなんて思うわけないよね。
本当に魔物に取り憑かれてしまったんだよね。
結局、片島先生も幸せになれず。
10〜12話泣きっぱなしで観てましたが、放送当時はお母さんが亡くなったことにかなしんでいたのが、今はもう完全にすずの行動に涙涙でしたね。
すずの気持ち考えると、まじ涙止まらない。
リュウ以外、まわりに誰もいなくなって、こんな仕打ちってないよね。
リュウいてくれたのがせめてもの救い。
すずの台詞がみんなめっちゃささって、みんな好きだった!
安達祐実さん、演技が本当にすごすぎて!!
こんなすごかったんだねって改めて思ってます。
今も第一線で活躍してるのがすごい。
けど、この演技力あったら、そりゃ生き残るっていうか説得力がある。
当時、12歳でこの演技力ですからね。
そして何より可愛すぎる!!
なんかもう本当に天使みたいだった。
安達祐実さんだけじゃなく、主要キャストからゲストまで全員演技がうますぎて、最高でした。
調べてみたらお亡くなりになられたキャスト、もう活動されていないキャストが多くてかなしいです。
個人的に保阪尚希さん、内藤剛志さん、水野真紀さん、西田彩香さん、菅井きんさん、京本政樹さん、そしてピュンピュンさんの演技が特に素晴らしいなと。
水野真紀さんの叫び方とかめっちゃ好き。
ピュンピュンさんは、中身人間?!って思うほどでしたね。
瞳にも感情がドバドバあふれていて、すごかったです。
突っ込みどころとかもあったけど…公昭ちゃんをどうやって靴磨きや海に連れて行ったのか…とか笑
車椅子で歩けないのに階段降りるの無理よね笑
映画版は映画館にも観に行ってパンフレットも買ったくらいだから、裏話とかも知ってるくらい本当にこの作品には思い入れがあります。
過激な作品だから、最初は苦情の電話がすごかったとか、でもだんだんすずへの応援に変わっていったとか。
野島伸司さんが企画原案なのは、当時『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』の執筆で忙しかったからとか。
野島さんが脚本も書いていたらどんな感じだったのでしょう?
でも私はあの『家なき子』が大好きなので、これでよかったと思います。
あれ以上の脚本はない気がするので。
すずも放火が原因で、園田家→ババア→大坪家と転々とする羽目になり、自分がまいた種とはいえ、過酷すぎる運命に翻弄されすぎた。
そんな中で公昭ちゃんやババア、純と出会えたり、また結果全て失ったり…本当に小6にして波乱万丈すぎるよね。
すずじゃなかったら、耐えられないわ。
中島みゆきさんの主題歌『空と君のあいだに』もすごくよくて、当時CD買ったくらい好きでした。
ドラマにすごく合っていて、イントロ流れると本当に盛り上がる!!
エンディングのすずとリュウも好きすぎて、毎話飛ばさずに全部観ました。
本当に完璧なドラマ!!
映画版もシーズン2もあと一度くらい観てみたい気がするけど、シーズン2は1より過激なので配信も無理かもしれない。
個人的に過激と言われたこの時代の野島作品が、大好きなんですよ。
でも観てない作品もあるので、全部配信きてほしい!!