ネタバレが入りますので、未視聴の方はご注意ください。
とてもいいドラマだったのに、わずか3話で終わってしまった。
陽美(井桁弘恵さん)との過去も流していないし、続編ありそうだなぁとは思っています。
このドラマは、まさに理想なドラマ。
弱井先生(中村倫也さん)みたいな人がいたら、本当にいいねと思う。
現状、いないのが問題ですから。
こんな先生ばかりなら助けられる人もいっぱいいると思う。
現実問題、精神科医って患者数に対して全然足りていなくて予約も3週間後にとれればまだいい方で1ヶ月待ちとか全然予約とれないってことも多いんですよ。
それだけ病んでる人が多い現状があって。
いざかかれても初診はまだしも再診になると、5分刻みの予約制で一人につき2〜3分で終わるということもザラなんですよね。
話すことと言っても「薬飲めてる?」とか「ちゃんと眠れてる?」とかテンプレ的なことを聞かれて終わりなので。
こんなに親身になって聞いてくれる医者がどこにいる?って話になってしまうのですが。
それを求めるならカウンセラーになりますかね。
それもバカ高くてね。
敷居が高いのですよ。
1話のパニック障害ですが、葵(夏帆さん)が早乙女(竹財輝之助さん)のところで出された抗うつ剤が合わなくて寝込んでしまったことがありましたよね。
そういうの医師に伝えても量を減らすか似たような他の薬に変えるかなんですよ。
でも弱井先生は違った。
副作用の少ない頓服に変えて脳の誤作動をなくすために行動療法を推奨したんですよね。
ここまでしてくれる医師がどこにいるのか。
実際に付き添ってくれたり保育園の下見まで。
仕事の域を超えてますよ。
本当に素晴らしい先生。
現実の精神科医は患者を抱えすぎているので診察もどうしても流れ作業的にならざるを得ません。
3話の風花(白石聖さん)もよい医者にかかればあんなによくなるんですね。
正直、パーソナリティ障害ってほぼ治らないと思ってたので。
インナーチャイルドを癒やしてあげること。
単純なようで難しいことだけど。
弱井先生の助言だけであそこまで辿り着けた風花も相当凄いと思います。
あとはデイケアの力もありますかね。
そういうところに繋げてくれるのも患者さんの未来を本当に考えてくれていていいですよね。
父(光石研さん)まで同じパーソナリティ障害だったのは、やっぱりかとなってしまった。
幼い頃から身近で接してきてお手本が目の前にあるのですから、そうならざるを得ないというか。
母(中島ひろ子さん)の共依存もね。
父がまずもっと若いときに治さないと、こう連鎖していくんですよね。
一流大学→一流企業の親族ばかりと言っていたから、社会的な評価は高いだろうし自分がまさか障害とは気づかないのだろうな。
気づかないまま家族を犠牲にして、生涯を終えるのかもしれない。
そんな人も結構多いのではないかなと思う。
そして優(細田佳央太さん)も共依存。
一見、優しそうでいてその優しさが本人の自立を妨げてしまっている。
患者の近くには本人が自立するのを妨げたい人がいる。
それが無意識であっても。
助けることで自分の存在意義みたいなものを感じてしまっている。
共依存の関係がうまくいくはずがないんですよ。
このままだったら第2の風花をつくってしまったかもしれないので、2人は離れられてよかったと思う。
ただ障害の知識があるだけでは患者にここまで自立させることってできないですよね。
弱井先生はもっと広い世界を見ているのが、素晴らしいなぁと。
現実に弱井先生みたいな人がどんどん増えていって、こういった診療が主流になってほしいなと思いますね。
患者の顔すら見ず、パソコン相手に話もそこそこに投薬治療だけって治るわけがないんですよ。
と改めてこのドラマを観て思いましたね。
原作