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韓国映画『君の誕生日』(2018)感想

 

アマプラにて視聴。

ネタバレが入ることがありますので、ご注意ください。

 

キャストの感想

父ジョンイル役のソル・ギョングさん。

何かあったと思わせる哀愁漂う姿が終始一貫していて、とてもよかったです。

ところどころ親として疎いところがあるのですが、ソル・ギョングさんが醸し出す雰囲気によりそう多くは責め立てたくない気持ちにさせられます。

 

母スンナム役のチョン・ドヨンさん。

ソル・ギョングさんもそうでしたが、本当に息子を失った人物そのもので演技なんて信じられないくらいでした。

こんなに人間って涙が出るんだ…とハッとさせられるくらい次から次へと涙がこぼれ、その姿には圧倒させられました。

特に誕生日会のシーンは、彼女が泣くたびもらい泣きしてしまい、ハンドタオル必須でした。

そして、終始スッピンだったように思うのですが、やつれていても綺麗なのがわかるし、スッピンでもこうなりたいと思わせるものがありました。

個人的に、桜井幸子さんに似ているなぁと。

 

イェソル役のキム・ボミンさん。

こういう子が可愛いのよねと、序盤から虜になってました。演技も上手くて、さすが韓国は子役の層も厚いです。

笑うと本当に可愛くて、つられて笑顔になります。

 

ストーリーの感想

2014年4月16日に起きたセウォル号沈没事故をベースに描かれています。

ニュースでは耳にしていましたし、ネットニュース記事でも何度か読んだことがありましたが、詳細は知らなくてきちんと調べないとと思っていた事故でした。

普通に元気だった子が事故で命を落としてしまう。

当然、遺族は悲しみに暮れますが、遺族側も予想もしていなかったことなので、現実を受け入れるのは困難なことですし、その苦しみの深さは想像を絶するものでした。

一見、スンナムも働いているくらいだし、何とか気持ちを奮い立たせて生活を送っているようにも見えますが、子どものように泣いているシーンを目にしたときは、これほどまでにつらいものなのだなぁ…時間は止まったままなのだなぁと再確認させられました。

周囲の描写からもこの泣きわめくシーンは過去に何度もあったのがわかるので、尚更その闇の深さを思い知らされました。

でも誕生日会に思いきって出ることで、少し傷は癒えたのかなぁと思います。

みんなと泣き合えたことがよかったと思うんですね。

そして思ったのは、これだけ想ってくれる母がいたことはスホ(ユン・チャニョンさん)にとって、この上ない幸せだったと思うし、スンナムにとっても幸せなことだったと思うんです。

だからこそ別れがこんなにつらくなってしまったのですが、世の中には生きていても疎みあっている親子など星の数ほどいる中で、この親子はやっぱり幸せだっただろうなと思わずにいられません。

悲しみを乗り越えたらそこに辿り着けるのかなと。

そしてこんな境遇においても一切反抗することのないイェソルのことも大事にしてあげてほしいなと思いましたね。